大学院卒業後、建築設計事務所に就職し、職業として建築の道を歩み始めた石渡さん。 前回記事(1/29)でお伝えした大学院修士論文(自然の木×情報技術)に関連して、学会やイベントで発表する機会が増えたそうです(3月に3回!)。自身のnoteに書いていますが、自分の考えを積極的に社会に発信することで、そこから学び取ろうとしているとのこと。 さて今回は、そもそも建築に進もうとした高校生の頃のお話です… ※前回記事とnoteのリンクは記事のラストにあります
建築に興味を持ったきっかけは「ビフォーアフター」
木田:建築に興味を持ったのはいつ頃なんですか?
石渡:建築やりたいと思ったのは高校に入ってからです。小学生、中学生の頃から文房具や雑貨、家具が好きで、よくそういうお店に行って、ただただ眺めるというか、見てどういう部屋に置きたいかなとか、どういうときに使いたいかなとか、妄想するのが好きでした(笑)
好きな文房具から、それを使う環境、家まで想像していたという。ずいぶん考え方が広い。
石渡:ふふ。小さいころから口数は多くなかったらしいんですけど、でも、何か考えてるな、この子っていう感じだったらしくて、あれこれ想像というか、妄想するのが癖でした。
木田:建築にがっつり行ったのは高校ということですが…
石渡:はい。一番のきっかけは「ビフォーアフター」を見てです。直接じゃないですけど実際に作っている人を見れたということが、ちょっと現実味を帯びてきたときだったのかなと。
2002年から2016年まで放送されていたテレビ番組「大改造!! 劇的ビフォーアフター」。狭い、傾いている、階段が急すぎるなど住宅の悩みを、建築士や大工がリフォームで解決するという内容。番組では設計や施工の方法が建築技術とともに紹介される。
石渡:ちょうどそのタイミングで進路系の面談がありました。
木田:何年生の時ですか?
石渡:高1の夏でした。あーでもない、こうでもないと話して…。三者いや、二者だったかもしれません。先生の二人だったかも。で、何にいま興味がある、という話とかしました。どこの大学行きたいから、じゃ、こうだねみたいな話ではなく、何をしたい、何に興味がある、みたいな話からゆるく聞いて行く流れだったので、そういう雑貨とかデザインを見て妄想したりするのが好きでという話をしました。
木田:言ったんですね(笑)
石渡:どのへんまで話したか分からないですけど、それに近いことは言いました。で、最近、「ビフォーアフター」見てて、なんかすごいな、かっこいいなって思って、みたいな話をしました。その中で建築いいな、建築家いいじゃんみたいな話を先生として、そこでちょっと、そっちの道を選ぶのもありなのかなと思い始めた感じです。
木田:それまで進路についてはどう考えてたんですか?
石渡:実は私、理系科目が苦手でして。小さいときに一時期、アメリカに住んでたのもあって、英語が割と得意なんです。なので、将来は英語に関連した道を進むのかなとぼんやり思ってたんですけど、そのときに建築やってみればと話になったときに、あ、やってみようかなと思い始めました。
理系科目が苦手。から、どんどん成績が落ちていく…
木田:そのころ、学校ではどういう感じだったんですか?
石渡:あまり、人が苦手なわけじゃないんですけど、そんなに自分からガツガツ絡みに行くタイプじゃなかったです。授業の間に休み時間あるじゃないですか、結構、社交的な子たちは自分の席を立ち上がってほかのところ行って何か、絡みに行くみたいのあると思うんですけど、どうもそれができなくて。暇だったら暇でお昼寝するとか、なんか違うことするとか、結構してました。
かといって孤独だったというわけでもなく…。話しかけられれば普通に話すという感じだったという。マイペースだったようだ。
石渡:でも、そうだったのは最初の1年くらいです(笑)
木田:そうなんだ。
石渡:私の学校は高2、高3が同じクラスなんです。高2に上がってからは、もうちょっと人と喋るようになりました。学校の行事関係で喋る、話し合う機会が増えて。それから、もともと中くらいの成績だったんですけど、高2から一気にガタッと落ちました。
木田:落ちた…
石渡:落ちたんですよ。ふふふ。落ちたので、そこからはアホキャラじゃないけれど、なんか(笑)
木田:意外ですね…
石渡:そうなんです。理系できないのに、すごい無謀な挑戦してるやつみたいな感じで、いじられつつって感じでした。
木田:一気に成績落ちて…
石渡:明らかに一回のテストで落ちたんですよ。
木田:というと…
石渡:理系に進もう、建築やるから理工に進もうって思って、数学頑張ろうって思って、数学を重点的に頑張ったテストだったんですよ。ですが、数学の点数が上がらず、ほかの科目の点数も落ちたという…。結構顕著に落ちたので、あれ? ってなったんですけど、その次も上がらず、あれあれあれ、みたいな。結局最後までそんな感じでした(笑)
勉強は一旦置いて、“日本一の体育祭”にかける
木田:勉強はしてた?
石渡:秋に体育祭があったんですけど、1年間かけて準備するんです。そのために高2、高3が同じクラスなんです。その1年間は勉強よりもそっちが大事って感じもあって。だから、成績落ちて、高2秋になって、体育祭だってなってから勉強はもう手放していた感じはあります(笑)
木田:高校生っぽい。で、成績落ちたんですね…
石渡:落ちました(笑)
木田:成績上がんないねーって。
石渡:上がんないねーって感じで(笑)
木田:でも、楽しいですね。体育祭の準備に1年かけるってすごい。
石渡:そうなんですよ。自称かもしれないですけど、”日本一の体育祭”っていわれてるんです。その高校行こうと思ったのも、その体育祭が理由なんです。
全校の生徒が仮装して10分間舞い踊る”仮装演技”が最大の盛り上がりを見せる”日本一の体育祭”。衣装や小道具、大道具、それにストーリー設定、振り付けまで全部を生徒が主体になって1年かけて考え本番を迎える。1〜3学年がクラスごとに縦割りの組を作って行う種目で、3年生が取り仕切るそうだ。
木田:すごいね。
石渡:いまもやってると思いますよ。
木田:日本一の体育祭って検索すると出てくるのかな?
石渡:もしかしたら出てくるかもしんない。自称って書いてあるかもしんないけど(笑)
〈つづきます〉
・石渡萌生インタビュー第二話「修士論文で森に通い出す…」は→https://kokyu.media/member/2023/01/29/831/
・石渡萌生note→https://note.com/megu_mush/n/n9f077dba2839
TEXT:木田 正人 PHOTO:木田 正人